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「誰かと暮らすということ」読書レビュー

 

誰かと暮らすということ (角川文庫)

誰かと暮らすということ (角川文庫)

 

いつになったら、満たされるんだろう。誰に対して怒っているんだろう―実社会にしっくりなじめず、自分の居場所をさがしあぐねている人々。会社で同僚からも距離を置かれている同期の男女、倒産寸前の店を経営する夫婦、離婚してひとり暮らしを始めた女性…都会の片隅でちいさな不満やささやかな希望を抱きながら生きる等身大の日常にやわらかなまなざしを投げかけるハートウォーミング・ストーリー。

 

今回は図書館本。

 

私が通う図書館では、毎回最大5冊の貸し出しですので、

なんとなく毎回

・小説 2冊

・エッセイor旅本 1~2冊

・実用本 1冊

の割合を心掛けています。

とはいえどうしても目についたものを手に取っちゃうので、

小説が4冊、とかになるときもあるのですが、

そういうときはだいたい、期限が近づいてきては焦って

もったいないことになっていまいます。

最近はなるべく2冊に抑え、思足りないくらいでちょうどいい、と思うようになりました。

 

さて、今回の「誰かと暮らすということ」ですが、

こちら、単純に「ジャケ借り」、装丁に惹かれて手に取りました。

そしてタイトルがストンと自分の中に落ち着いたため、借り決定。

 

ちなみにこのタイトル、

不用意に家族の前で読んでいると、ちょっと不審がられるのでご注意を(笑)

(かーさん、なんか思うとことでもあるわけ・・・?とか聞かれちゃいます)

 

でも実際にですね、このタイトルがストンときたのは、

実は最近実感している我が家での「誰かと暮らす」概念の変化があったからなのです。

 

あと1か月足らずで11歳を迎える一人息子。

旦那と2人で始まった「我が家」が、息子を迎えて3人になり、

つい最近までは、新参者の息子のために、古株の2人が生活を合わせる、

という生活をしてきました。

 

それがここ1年ほどで、急に、

息子の「我が家」外での活動が大幅に増加し、

気づけば「我が家」内にとーさんと2人でいる時間が増えました。

 

最近は受験や学区選択など、私の時代よりも進学先に幅も出てきて、

今5年生の息子の周りでもにわかに

だれはお受験するらしい、かれは隣の学区の中学校を選択するらしい、

と情報が流れるようになり、

何を勘違いしてんのか息子に至っては

「大学どこで暮らそうか」とわりとステップ飛ばしの妄想を口にしたり。

 

どんどん、「誰かと暮らす」ということが、

3人から2人へと、10年のブランクを経て戻りつつあります・・・

 

10年ひと昔とはよく言いますが、

10年前も2人でいたはずなんですが、

間の10年間も一緒にいたはずなんですが、

10年たって2人の時間が戻ってくると、

・・・・違うんですよね、なんか。

 

そんな実感があった日々の中で出会ったのがこの本でした。

 

内容は、東京の下井草に暮らす人たちのお話しの群像劇仕立てです。

中でも、虫壁さんとセージさんの2人男女の恋愛模様がぼわっと中心に進んでいきます。

 

私、正直、恋愛物はあまり得意ではなくてですね。

 

その私が、

ホンワカ優しい気持ちで、ずっとニヤニヤふわふわしながら読み進めました。

伊藤たかみさんの言い回しや表現なんかも絶妙で、

形にならない不安とか、悲嘆にくれるほどでもなく日常に埋もれてしまう程度のさみしさ、なんかを、そうそう、そうだよな!という絶妙な描写で描き出されています。

それでいてどこかくすっと笑えて、必ずしものハッピーエンドでなくとも、

どのお話しも、すべてはよい結末にむかっていく「通過点」として感じられるような、

あったかいお話したちです。

 

我が家の暮らすということの形も、

こうやっててきとうにふわふわと変わっていく、それでいいんだよな、

こうやってさらに別のカタチの幸せに変わっていくんだよな、

と安心できる一冊でした。

 

図書館本でしたが、いずれもう一回読みたくなる時が必ずくる気がします(笑)

そのときは即買い決定本です。

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