「6月31日の同窓会」読書レビュー
「案内状が届くと死ぬ」その伝説が現実にー!?
伝統ある女子高・蘭聖学園の卒業生が連続死する。OGの弁護士・松川凛子は、死亡した女たちが、存在しないはずの「6月31日」に開催される同窓会の案内状を受け取っていたことを突き止める。やがて凛子にも案内状が届き・・・。
悪意が渦巻く女の友情と学園の“闇”が深まる中たどりついた真相とは。
先読み不能、一気読み必須の長編ミステリー!
私の読書習慣スタイルは、「お風呂で読む」タイプです。
お風呂にじっと浸かっているのが苦手で、なにかしていないと烏の行水になっちゃうので・・・
なので、読み進める際に「一気読み」っていうのがなかなかかなわなくてですね・・・
こちら紹介文に「一気読み必須の長編ミステリー!」とか書かれちゃってるのに、一気読みできなかったんです。
この作品、登場人物がかなりの人数なんですね。
そして、章ごとに、ころころ話してが移り、主観もどんどん変わります。
大体、章の区切りで翌日へと回し読みしちゃったので、翌日改めて読み進めようと思ってもごっちゃごちゃになっちゃって、登場人物すらなかなか頭に定着せず、で。
一気読みをおすすめします・・・
一気読みしないと、何回も何回も、前ページに戻っては復習・・・となっちゃうタイプの作品です。
内容としましては、女子高を舞台とした、いわゆる「オンナの園」の嫌な部分が、エスカレーター式のお嬢様学校で繰り広げられ、卒業後もそのマウンティングスタイルからなかなか抜け出せない・・・のが根本にありつつ、
学校のシステムそのものに実はもっと深い「闇」があって・・・
といった、いわゆる、「イヤミス」ですね。
謎が最後読み手に明らかになっていく点では、すっきりする終わりとも取れますが、
感情的には、ぜーんぜんすっきり、とはこないです(笑)
冒頭で意味深に、地域の開発話が大きめに取り上げられているのでもっと本筋に関わってくるかと勝手に予想しながら読んでしまい失敗した部分も大きいかなと感じます。
また、登場人物からの目線で各章の時系列が進むため、実際にできごとが起こっている時系列が前後しながら何度も登場します。そのため、正確な時系列を把握することが困難で、途中登場人物の一人によって改めて時系列を整理して案内されるまで、誤解していた部分もありましたし。
ほんと、一気読みをお勧めする作品です(笑)
登場人物が多すぎるので、映像化されてビジュアルで楽しんだほうがいいような内容かな、と感じました。
それにしても、人間の嫉妬とか、自己顕示欲って、やっぱこわいよな、と感じざるを得ない作品でした。