お題スロットやってみた~お題:コーヒー~
私は、「カフェでお茶する」ことが、苦手です。
女子なのに、「カフェでお茶する」ことが、苦手です。
とあるメーカーのコーヒーボトルのラベルに、ピースの又吉さんが(芥川賞作家の又吉先生が)書かれた、コーヒーに関するエッセイが何種類か掲載されていた時期がありました。
すべて、コーヒーのある風景が描かれていたのですが、恋の話だったり、ご家族の話だったり、コーヒーを挟んで、様々な角度から又吉さんに見える風景が描かれていました。
中でも印象に残っているお話があります。
「飲み終えたら帰らなければならない」
おたがいに話がつきることなく、この人となら永遠に話し続けられると思える人がいた。もしかしたら、一方的な気持ちだったかもしれない。そんな不安から、その人に会うと、いつも僕は帰るのが嫌だった。もしかしたら、二度と会えないかもしれないという恐怖があったのだ。その人の家にお邪魔して、アイスカフェオレを作ってもらう。半分はすぐに飲んで、残りは少しずつ飲む。全部、飲み干してしまうと帰らないといけないような気がするから、少しずつ飲む。何時間も話していると、二人の声が混ざり、二人の脳が混ざり、二人で一つの物語をつむいでいるような感覚になった。それは奇跡的な素晴らしい体験だった。アイスカフェオレが無くなりかけると、その人がお代わりを注いでくれる。また半分はすぐに飲んで、残りは少しずつ飲む。全部、飲み干してしまうと帰らないといけないような気がするから、少しずつ飲む。僕たちは何百年もそうやって過ごした。
私は、「カフェでお茶する」ことが、苦手です。
全部、一気に飲み干してしまうから。
飲み干してしまいたくない、と思えるような人と、いつか、カフェでお茶でもしてみたいです。
(旦那はよ!)
ちなみに、「飲む」という文字を打つたびに、「呑む」という漢字が一番に出てくることは秘密にしておきます。